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音楽の科学 [本]

何に対してもそうですが、科学的な知識があると、理解が深まったり役に立つことがあります。音楽についてもそうだと思いますが、いきなり難しい数式が出てくると戸惑ったりしますので、分かりやすく書かれた入門書はありがたいものです。

ブルーバックスでも、分かりやすく書かれた「音律と音階の科学」というような本が出ていますが、音楽全般にわたって書かれた本を先日書店で見掛けましたので購入しました。

音楽の科学.jpg

CDでわかる音楽の科学、岩宮眞一郎著、ナツメ社図解雑学シリーズ

少し長くなりますが、目次を引用します。

第1章 音楽はどうやって私たちの耳に届くのか
音とは?
音の伝わり方
純音
複合音
ノイズ
音の聞こえ方
聴覚のフィルタ
【音楽の科学エッセイ】音楽と脳
周波数により変わる音の聞こえ方
音が聞こえなくなる!
聴きたい音だけを聴く
音の3要素
音の大きさ
音の高さ(ピッチ)
【音楽の科学エッセイ】無限音階
音色の秘密
音の方向
結合音
(コラム)録音した音は自分の声じゃない 骨導音と気導音

第2章 音楽を作るもの-音楽の科学
音楽の3要素+音色
メロディはつながって聞こえる
メロディが分離して聞こえる
音の錯覚
【音楽の科学エッセイ】音楽と色彩
メロディと運動感
メロディを感じるスキーマ
リズムとテンポ
ビブラート
音階
音律
ピタゴラスの音律
純正律(純正調)
平均律
教会旋法
世界の音階
長音階と短音階
【音楽の科学エッセイ】調律
調を感じるしくみ
和声の成り立ち
三和音
協和音と不協和音
【音楽の科学エッセイ】サイン音楽
協和音と不協和音のブレンド
和音進行の基本形
転調と移調
調性のゆくえ
【音楽の科学エッセイ】芸術的逸脱
(コラム)絶対音感と相対音感

第3章 音楽を奏でる-楽器の科学
楽器の分類
管の共鳴
エア・リード楽器
リード楽器
金管楽器
弦の振動
撥弦楽器
【音楽の科学エッセイ】さわり
擦弦楽器
共鳴板の振動
【音楽の科学エッセイ】名器の秘密
ピアノ
ピアノの音色
打楽器の特徴
鐘の音
パイプ・オルガン
声帯・発声のしくみ
楽器としての声
声楽の声の特徴
【音楽の科学エッセイ】ホーミー
電気楽器、電子楽器
シンセサイザー
(コラム)電子楽器のめざすもの

第4章 音楽と響き-コンサート・ホールの科学
音楽と響き
残響
音楽と建築のかかわり
【音楽の科学エッセイ】音環境デザイン
コンサート・ホールの誕生
理想のコンサート・ホール
遮音と吸音
広がり感と両耳
ホールの形状と響き
【音楽の科学エッセイ】BGM
【音楽の科学エッセイ】音楽療法
特殊な響き
日本の響き
劇場音響
(コラム)デット・オア・ライブ

第5章
オーディオの歴史
蓄音機からレコード再生機へ
マイクロフォン
スピーカー
アンプ
テープ録音機
デジタル・オーディオの原理
iPodの流行
【音楽の科学エッセイ】着メロ、着うた
ステレオ音響の原理
最新の立体音響技術
レコーディング
PA(拡声技術)
エフェクター
【音楽の科学エッセイ】映画音楽
ノイズキャンセリング・ヘッドフォン
超音波が伝える音楽
(コラム)オーディオはどこへ行くのか軽量化と高級化

入門書なので気軽に読めますし、CDが付いていて耳で聞いて確かめることができるのもよいですね。

こちらで一部を「立ち読み」できます。

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AUDIO BASIC Vol.53 [本]

AUDIO BASICという季刊誌があって、いつもではないのですがCDが付録に付いています。興味があるときだけ手に入れるようにしているのですが、最新号の付録は古楽のCD、買わないわけにはいきません。

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AUDIO BASIC Vol.53、共同通信社

永田平八さん(リュート、ルネサンス・ギター)、吉澤実さん(各種リコーダー、笛各種)、飯塚直子さん(リコーダー、打楽器)の3人による古楽アンサンブルエバー・グリーン・スリーブスによるルネサンスの楽曲が62分40秒収録されたCDが付いています。

1. グリーンスリーブス(作者不詳)
2. グリーンスリーブス(Greensleeves to a ground)(作者不詳)
3. シチリアーナ(作者不詳)
4. 白い花(作者不詳)
5. 私は逃げ出したい(作者不詳)
6. 仮面舞踏(作者不詳)
7. パヴァーヌ(ジェルヴェーズ編)
8. ガイヤード(ジェルヴェーズ編)
9. スパニョレッタ(作者不詳)
10. 小鳥愛好家の楽しみ(作者不詳)
11. バスダンス「ラ・マグダレーナ」(アテニャン編)
12. ルクープ(アテニャン編)
13. トルディヨン」(アテニャン編)
14. イギリスノナイチンゲール(ファン・エイク編)
15. ナイチンゲールⅠ(作者不詳)
16. ナイチンゲールⅡ(作者不詳)
17. ロビンは緑の森へ(作者不詳)
18. 窓から帰って、愛しい人よ(作者不詳)
19. ケンプ氏のジグ(作者不詳)
20. カレー婦人のダンプ(作者不詳)
21. ヴィラネスク(ゴリエール&モーレイ編)
22. かつて一人の少女がいた(ゴリエール&モーレイ編)
23. パヴァーナ(ゴリエール&モーレイ編)
24. ガイヤード(ゴリエール&モーレイ編)
25. 冬(作者不詳)
26. 森(作者不詳)
27. シャンソネッタ・テデスカ(作者不詳)
28. プレリュード(アテニャン編)
29. 花咲く日々」(アテニャン編)
30. バスダンス「私の友は皆」(アテニャン編)
31. 恋をしたから(アテニャン編)
32. ガイヤード」(アテニャン編)
33. イタリアン・グラウンド(カー)

ルネサンス・リュートを中心にリコーダーや打楽器が入っての演奏です。ルネサンスの音楽には、リュートやリコーダーはもちろんですが、打楽器がよく合いますね。

雑誌に興味が無くても、ルネサンスの音楽に興味がある方にお薦めです。充実した内容のCDです。1,500円というのが嬉しいですね。

CDケースのジャケットは、切り取って作れるようになっています。早速プラ・ケースに入れました。

本日の練習:"70 Easy to Intermediate Pieces for Renaissance Lute"の49、51。

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ハプスブルク三都物語 [本]

先日街に出たときに駅の近くの書店で目にとまった本です。

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ハプスブルク三都物語、河野純一著、中公新書

折しも、現在東京で「The ハプスブルク(ハプスブルク展)」が開かれています。(1月から京都。)

ハプスブルク帝国が残した3つの美しい街、ウィーン、プラハ、ブダペストの歴史的な物語と建築について書かれた読み物で、あたかも旅行した気分になります。

あとがきで、ウィーンのエッセイストの「多くの都市はアスファルトで舗装されているが、ここは文化で舗装されたいるのだ」という言葉が紹介されていますが、歴史と文化を感じる三都ですね。

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キース・ジャレット 音楽のすべてを語る [本]

久しぶりに読んでみたくなってパラパラめくっていました。

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キース・ジャレット 音楽のすべてを語る、立東社、1989年

ジャズ・ピアニストとひとくくりにできないピアニスト、キース・ジャレットの音楽に対する考えを、インタビューを元に編集した本です。

今読み返してみても興味深いことが書かれています。

例えば、演奏について。

ミュージシャンに演奏能力があり、彼の指を動かすことができる。これが第1段階。次に第2段階は、そのミュージシャンが自分の指が動いているのを聴く。そして、この2つの段階、これが基礎段階だ。
-中略-
第3段階は指がどのように音を出しているかに耳を傾けること。強く、弱く、あるいはそれらがどんなふうにサウンドしているか、タッチ、きみの持っているのはどんな種類のタッチか、バランスはどうだろう、これらのことを聴きとるのが第3段階だ。

バロック音楽について。

バロック時代の方がロマン派の時代よりもずっと演奏者に表現の自由があったんだ。はるかに。
-中略-
バロック時代にはインプロヴィゼーションの能力が必要とされた。やろうと思えばできるというのではなくて、インプロヴァイザーであることが演奏家の条件だったんだ。この2つのことは違う。

バッハの音楽について。

そもそもバッハの音楽には、ダンスと教会(宗教)の2つの要素がある。今までの演奏家は、そのダンスの要素を十分に表現していないと思う。(『ゴルトベルク変奏曲』の)アリアにも動き(move)がある。多くの演奏家はちぢこまっている。バッハを真面目に弾こうと思えば動いてはいけない、とでも言いたげな演奏家が多いんだ。
-中略-
とてもゆっくりした曲でさえ、それはテンポ、パルス(pulse)と関わっている。それなのに、たいていのクラシックの演奏家はパルスをプレイしない。彼らは何かをプレイしている。しかし、そこにはパルスがない。彼らはテンポをプレイしている。けれども、ぼくにとってはテンポの中にパルスが含まれているんだ。

ピアノを教えることについて。

たとえば「重力に欠ける。きみの音には重みがない」と言ったとする。そこでこの生徒は、ぼくに言われたから、その音に重みをつける。でも、それは本来の重みとは違うでしょう?意識的な覚醒状態にある重みではない。ただ重くなってしまうだけ。

残念ながら絶版です。

本日の練習:"70 Easy to Intermediate Pieces for Renaissance Lute"の49、51。

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深夜特急 [本]

ときどき聴き直したくなるCDや読み返したくなる本があります。りんこうさんSORIさんの記事を拝見していて、久しぶりに読みたくなったのがこの本です。

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深夜特急、沢木耕太郎著、新潮文庫

深夜特急1-香港・マカオ-
深夜特急2-マレー半島・シンガポール-
深夜特急3-インド・ネパール-
深夜特急4-シルクロード-
深夜特急5-トルコ・ギリシャ・地中海-
深夜特急6-南ヨーロッパ・ロンドン-

15年近く前に購入した本で、特に気に入って、いつでも読める場所に置いてあります。

1996年~98年にテレビ・ドラマとして放映もされましたので、ご覧になった方も多いと思います。

こういう旅をいつかしてみたいと思いながら、結局実現できていません。いつか、ふらっと一人旅に出てみたいです。

深夜特急-2.jpg

その後、こんな本も出ているのですね。

旅する力―深夜特急ノート

旅する力―深夜特急ノート

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/11
  • メディア: 単行本


本日の練習:"70 Easy to Intermediate Pieces for Renaissance Lute"の49、51。

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一個人-西洋名画を読み解く- [本]

昨日書店で「一個人」という雑誌を購入しました。

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12月号の特集は「西洋名画を読み解く」で、内容は「レオナルド・ダ・ヴィンチ全作品に隠された暗号を解く」、「キリストの生涯を知れば西洋絵画は100倍面白い!」、「ギリシア神話の五大美女で読む西洋名画」となっています。ダ・ヴィンチの話は眉唾ものの暗号解読ではなく一般的な作品解説なのでご安心を。

キリストの生涯もギリシア神話も絵画のテーマだけでなく、音楽のテーマとしても取り上げられるものなので、興味深く読みました。

知らなかったこともたくさんありました。浮気性のヴィーナスの話は、ここまでとは知りませんでした。

さて、もう一つの特集「2000円以下極旨ワイン大賞」も気になりました。

ワイングランプリ.jpg

今月はいよいよ今年のボジョレー・ヌーヴォーが解禁になります。だからというわけでもないのでしょうけど、手軽に飲める美味しいワインが、ブドウの品種別に紹介されています。チリ・ワインがたくさん載っていますが、確かにコストパフォーマンスは高いですね。

本日の練習:"70 Easy to Intermediate Pieces for Renaissance Lute"の33、40、43、44。

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フロニモ [本]

ガリレオ・ガリレイの父ヴィンチェンツォ・ガリレイ(Vincenzo Galilei, 1520?-1591)は、リュート奏者、作曲家、音楽理論家で、1584年に出版された"FRONIMO"と題された著書が残っています。彼はカメラータに参加していたことでも知られています。

こちらで"FRONIMO"のファクシミリを見ることができます。

"FRONIMO"は、「賢者」を意味しますが、表紙には「フィレンツェの貴族ヴィンチェンツォ・ガリレイによる巧みに編曲する技術及び、弦楽器・管楽器で正確に音楽を奏する技術にかんする対話」と書かれています。

リュートの譜面とともに、対話形式によりルネサンス音楽の基本概念やリュートの奏法・編曲法・調律法について書かれている興味深いものです。

さて、この本の日本語訳が出版されましたので注文していましたが、本日届きました。

FRONIMO.jpg

フロニモ、V.ガリレイ著/菊池賞訳/水戸茂雄監修、東京コレギウム

こうした貴重な書物が日本語で読めるのはありがたいことです。少しずつ読み進めたいと思います。

本日の練習:"70 Easy to Intermediate Pieces for Renaissance Lute"の33、40、43、44。

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NHK趣味悠々「リコーダー」 [本]

今日は中秋の名月、雨は降らなかったものの残念ながら空は雲に覆われています。それでも時折雲の隙間から顔をのぞかせる月を眺めることができました。(三脚を立てる余裕が無くて手持ちのコンデジなので、手ブレしていますがご容赦下さい。)

中秋の名月2009.jpg

さて、10月~11月にかけて8回シリーズで、NHK趣味悠は吉澤実さんを講師に迎えてのリコーダー講座です。

趣味悠々リコーダー.jpg

NHK趣味悠々ドレミからはじめよう! リコーダーで奏でる懐かしのオールディーズ

少し前に書店でテキストを見かけて購入していましたが、忘れるところでした。(リュート奏者永田平八さんが記事にされているのを見て思い出しました。永田さんはリュート伴奏で3回出演されるそうです。)

今のところ仕事とリュートで手一杯ですが、いずれリコーダーも始めたいと思っています。いつかのその日のための予習です。

番組はNHK教育で、10月7日(水)~11月25日(水)の22:00~22:25、再放送は翌水曜日の12:00~12:25です。

明日はリコーダーのリサイタルに行ってきます。(初めてです。)

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音楽 [本]

少し古い本(昭和59年文庫本初版、単行本は昭和56年刊)ですが、読み返しています。

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音楽、小澤征爾、武満徹著、新潮文庫

日本を代表する音楽家二人の対談という形でまとめられた本です。四半世紀以上前の本ですが、音楽をする姿勢について警鐘を鳴らし、厳しい提言がされています。

例えば、小澤曰く「音楽はまず声から出発するんだ。全部の楽器は全部人間の声の代理なんだ。-中略-人間と音楽とが根本的にどこでつながるか、といういちばん大切なところが、そこ(日本の音楽教育、とくに器楽教育を指して。)では完全に無視されてるわけだ。」

それに対して、武満曰く「音楽の歓びは人間の感情の一番底のほうにあるものでしょ。それはヴァイオリンやピアノに代表される西洋楽器の場合でもそうだけれども、日本の琵琶、三味線、琴、尺八も、全部おんなじですよ。-中略-現在のような教え方、習い方をしていたら失くなるのが当然だと思うよ。-中略-日本の音楽の場合、極めて微妙な音程を、からだでみんな知っているわけ。ところがそれを教えるとき全部平均化しようとするでしょう。-中略-日本の音楽の、たとえばなんとも言えない微妙な間とかそういうものがあるじゃない、-中略-そういうものが全部普通の何でもない拍の中に入っていっちゃう。そういうことでしか勉強できなくなったわけ。」

教えるということについて、小澤曰く「今ここで一週間こいつのために教えてやれば、こいつは一生それを生かしていくかもしれない。音楽会を三回ぐらいやめてもこいつを教えた方がいいと、思うような瞬間があるわけよ。-中略-だけど、教えるのは難しいよ。大変なこったね。」

まだ現役の本のようです。

そう言えば小澤征爾さんのこの本は学生時代にわくわくしながら読みました。

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

  • 作者: 小澤 征爾
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000
  • メディア: 文庫


本日の練習:"70 Easy to Intermediate Pieces for Renaissance Lute"の33~35。

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バロック音楽名曲鑑賞事典 [本]

昨日の本と一緒に購入したものです。

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バロック音楽名曲鑑賞事典、磯山雅著、講談社学術文庫

バロック音楽の名曲100曲を磯山雅さんが選んで簡潔に解説し、CDやDVDを紹介した本です。自宅のCDの数は増え続けていますが、内容が偏ってしまいがちなので、新しい曲も聴いてみようと思い購入しました。2007年と、割と最近出版された本なので紹介されたディスクも手に入りやすいものと思われます。

カバーの絵はアドルフ・フォン・メンツェルの「サンスーシー宮殿におけるフリードリッヒ大王のフルート・コンサート」です。チェンバロを弾くのはカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ、大王のフルートの師ヨーハン・ヨーアヒム・クヴァンツらが描かれています。

今日は休日出勤でバタバタしていましたので練習をお休みにしました。

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