十字軍物語 [本]
塩野七生さんの新シリーズが始まりました。今度は十字軍をテーマに今なお続くキリスト教とイスラム教の対立の原点を描く著書になるようです。
全3巻予定の「十字軍物語」刊行に先立って、フランスのギュスターヴ・ドレの版画を使った「絵で見る十字軍物語」が出ました。
見開き2頁の左はドレの絵、右側の上部には地図、下部には簡潔な説明が付けられています。
こちらに塩野さんのインタビューが載っていますが、「オペラでいえば“序曲”、映画でいえば“予告編”」であると語っています。
本の中身はこちらで立ち読みできます。
インタビューで興味深かったのはここです。
これから第一次十字軍を皮切りに、いかにして戦いが展開され、どうやって最終的に破綻するのか、そしてその後、世界はどうなったのか、そういう話を書いていくことになります。
総体として見れば、十字軍というのは西洋側にとって、負けた戦争なんですね。しかし負けた戦いから学ぶという態度がヨーロッパにはあった。これはヨーロッパ側の確固たる美点です。この頃から「大学」というものが都市を中心に誕生し始めるのですが、そこでは「イスラム学」とでもいうような講座もできてくる。ところが勝った側のイスラムはどうでしょう。「アラーのおかげ」という以上の探究心を持たなかったように思うのです。人間というのは一度勝ってしまうと、そういうものなのかも知れません。
本編第1巻は9月17日発売だそうです。楽しみです。
本日の練習:バロック・ギターでGaspar Sanzの"Canarios"
全3巻予定の「十字軍物語」刊行に先立って、フランスのギュスターヴ・ドレの版画を使った「絵で見る十字軍物語」が出ました。
見開き2頁の左はドレの絵、右側の上部には地図、下部には簡潔な説明が付けられています。
こちらに塩野さんのインタビューが載っていますが、「オペラでいえば“序曲”、映画でいえば“予告編”」であると語っています。
本の中身はこちらで立ち読みできます。
インタビューで興味深かったのはここです。
これから第一次十字軍を皮切りに、いかにして戦いが展開され、どうやって最終的に破綻するのか、そしてその後、世界はどうなったのか、そういう話を書いていくことになります。
総体として見れば、十字軍というのは西洋側にとって、負けた戦争なんですね。しかし負けた戦いから学ぶという態度がヨーロッパにはあった。これはヨーロッパ側の確固たる美点です。この頃から「大学」というものが都市を中心に誕生し始めるのですが、そこでは「イスラム学」とでもいうような講座もできてくる。ところが勝った側のイスラムはどうでしょう。「アラーのおかげ」という以上の探究心を持たなかったように思うのです。人間というのは一度勝ってしまうと、そういうものなのかも知れません。
本編第1巻は9月17日発売だそうです。楽しみです。
本日の練習:バロック・ギターでGaspar Sanzの"Canarios"
当時は確かイスラムの方が文化は発達していたのですよね。
イスラムの人は今でも西欧諸国が派兵すると十字軍だと批判するのが常ですね。
実はいまでも続いているのでしょうか。
by yablinsky (2010-08-12 00:19)
後、一ヶ月の我慢でしね^^♪
おやすみなさ~い☆
by ぷりん&りく (2010-08-12 00:38)
深いテーマを全3巻でまとめられるのですね。
インタビュー内容。ほんと面白い視点ですね。興味深い。
本の発売を待つ時間はワクワクする時間ですよね。
私も今日はジャンルは全然違いますが、ちょっと面白い本を頂いて久々に一気に読み耽ってしまいました。
台風の影響はございませんか?
どうぞお気をつけてお過ごしくださいね。
by 雨香 (2010-08-12 01:59)
暑い日が続いてますが
体調気を付けてくださいね~
by 父ちゃん (2010-08-12 06:05)
十字軍。。。昔社会で習った程度(いや、それ以下?)の知識しかなく、お恥ずかしい。。。ではなく、知識は増やしていくものですよね~!
努力が必要です。。。。
by リン (2010-08-12 06:18)
その後、体調はいかがですか?
お恥ずかしいながら十字軍の知識はほとんどありません…
話的には嫌いでなさそうので読んでみようかなって思います。
by 土芽 (2010-08-12 06:24)
十字軍って、固有名詞でしか知らないですが、
現在の欧州と中東につながる歴史の転換期となっているのですね。
知りませんでした。とっても、興味深いです!
by haku (2010-08-12 09:22)
いつもご訪問有難うございます。塩野七生さん、この方のあふれる創作力にいつも脱帽です。
by mwainfo (2010-08-12 10:18)
塩野七生さん、いまだに読んでいません。
いつもこちらの紹介記事を拝見させていただくたびに読みたくなるのですが。
by Cecilia (2010-08-12 12:41)
「絵で見る」方で満足してしまいそうな。。
前々記事で、原典版のご紹介をありがとうございました。
nyankomeさんのように上手に装丁出来ると良いのですが、なかなか;
by Halumi (2010-08-12 15:02)
お久しぶりです。ずーっと忙しくて伺えずすみませんでした。
お体お元気になった用で何よりです。
これからゆっくり前の記事も読ませていた来ますね。
by yuka (2010-08-12 17:43)
塩野さん、いつかはと思いながらまだ何も読んでいません。
しかしご紹介いただいた本は版画が素晴らしそうですので買ってみようかと思います。
by センニン (2010-08-12 21:04)
日本は、宗教の自由という体裁?のいいものになっていますが
無宗教の方も多いと思います。
国教というものが、必要かどうかとじっくり考えた事も有りません。
僕自身、無神論なんで・・。啓蒙思想は、面白いと思っています。
ですが、片隅に置いていたんで、一度は考えてみようと思います。
宗教戦争ほど、不可解な戦争はないですね。
神と神が、戦争してるようなもの。戦争は、殺し合いですからね。
話し合いの余地なし・・・なんでしょうかね。
そこら辺りが、僕の中で解決してないので、片隅に置いているのです。
by matcha (2010-08-12 22:38)
戦いに勝てば「神の奇跡だ」と、言いやすいでしょうけれども
戦いに負けて「神が力を貸してくれなかったから」とは言い辛いですからね
だからこそ、負けた側は人としての努力をする事ができたのかと思います。
信仰心があればこその発展なのでしょうね。
by Caelum (2010-08-13 01:38)