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ローマ人の物語-最後の努力- [本]

読む本が無くなって久しいので、帰宅途中に書店に立ち寄ったら、塩野七生さんの文庫本「ローマ人の物語」の最新刊が出ていました。353637です。

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文庫本「ローマ人の物語」も終盤にさしかかってきました。今回の3冊は既刊の単行本で言うと、全15巻の13巻目にあたります。

ローマ再建に立ち上がったディオクレティアヌス帝による「四頭政」、リキニウスとコンスタンティヌスによる「ミラノ勅令」でキリスト教を公認、新都コンスタンティノポリスを建設と話は進んでいきます。3世紀後半から4世紀前半のお話しです。

いよいよキリスト教を中心としたヨーロッパの歴史が始まり、ローマは終焉へと進んでいきます。

本日の練習:"70 Easy to Intermediate Pieces for Renaissance Lute"の26、27、29、30。

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バロック音楽 [本]

先日読んでいました「中世・ルネサンスの音楽」の姉妹本です。時代はこちらの方が後ですが、先に出版されていました。

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バロック音楽、皆川達夫著、講談社学術文庫

ヨーロッパの音楽の歴史の概略をみたあと、バロック音楽の特徴、楽器、オペラと宗教音楽、イタリアの器楽音楽、フランスの宮廷音楽、イギリスの音楽不毛の時代からパーセルらによる音楽復興、音楽の国ドイツの誕生、バッハとヘンデルによるバロック音楽の大成そして終焉という構成です。

バロック音楽の特徴として、演奏の自由さと無限の可能性(通奏低音)、ホモフォニー、二つの極の緊張関係(フォルテとピアノ)、劇(ドラマ)の原理、即興性と瞬間の芸術があげられています。

「バロック芸術は劇(ドラマ)の原理が支配する芸術であり、それなればこそ、ゆがんで、仰々しいのである。それは激昂と昂奮の芸術であり、運動と変化とを追求する芸術である。」とも書かれています。

さて、中世・ルネサンスに比べ資料や音楽家も多くなるバロック音楽ですが、例えばスペインの音楽や新大陸との関係にはほとんど触れられていません。充実した内容の「中世・ルネサンスの音楽」と比較すると残念なところですが、入門用にコンパクトにまとめるために仕方がないでしょう。

バロック音楽入門としてよくまとめられた読みやすい本だと思いました。

本日の練習:"70 Easy to Intermediate Pieces for Renaissance Lute"の26、27、29、30。

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中世・ルネサンスの音楽 [本]

たまたま書店で見付けた本ですが、今年の2月に出ていたもののようです。

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中世・ルネサンスの音楽、皆川達夫著、講談社学術文庫

もともとは講談社現代新書として出ていたものを改訂し文庫本化したものです。

古代の音楽、キリスト教と音楽の結びつきから始まって、吟遊詩人やグレゴリア聖歌、ルネサンス、宗教改革と進んでいきます。読み始めたところですが、読み応えがありそうです。

皆川さんらしいのは、日本と中世・ルネサンス音楽についても言及されていることです。「洋楽渡来考」については、以前紹介しました。

巻末に「中世・ルネサンス音楽小辞典」、「中世・ルネサンス音楽史年表」、「中世・ルネサンス音楽史関連地図」、「ミサ通常文とその訳」が付いていて便利です。

姉妹篇として「バロック音楽」という著書が先に出ています。

自宅から徒歩5分のところに大きめのスーパーがあります。そこそこ品揃えのよい書店とダイソーがテナントとして入っていたのですが、最近改装に合わせて撤退してしまいました。スーパーは店舗を広げ、日用品や衣料、薬、電化製品などの品揃えを増やし、それはそれで便利になったのですが、書店と百均がなくなったことは痛いです。

本日の練習:"70 Easy to Intermediate Pieces for Renaissance Lute"の13~20。

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PCオーディオfan [本]

昨夜のコンサートの記事が朝刊に載っていました。

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40~60代を中心とした聴衆約3万5千人でいっぱいになったとか、サイモンが「S&Gとしてツアーするのはこれが最後だと思う」と語ったとも書かれていました。

さて、予告を見て探していた雑誌(ムック)が見付かりました。

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PCオーディオfan共同通信社

お目当てはこの記事でした。

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ヨーロッパ古楽の調べ~ヴィオラ・ダ・ガンバ~

この企画のために96kHz/24bitで録音された石川かおりさんの演奏が、付録CDに収録されています。

収録曲はトバイアス・ヒュームの「ヒューム大佐のパヴァーヌ」と「グッド・アゲイン」、これ以外にもアントネッロのこれから発売されるCDからのサンプルが3曲。

CDのフォーマットは44.1kHz/16bitなので通常のCDプレーヤーではかかりませんが、コンピュータ上でQuickTimeなどで再生することができます。

このムックにはPC上でよい音で音楽を聴くための特集ですが、極めるには相当お金がかかりそうです。参考にさせて頂きます。

仕事が多忙だったので本日の練習はお休みしました。

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海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 [本]

塩野七生さんの「海の都の物語」は単行本で昨年から今年にかけて読みましたが、もう一度読み返したいと思っていました。そんなところに文庫本発刊の広告を新聞で見てしまいました。

就寝前もそうですが、電車の中や空いた時間で読書することが多いので、鞄に入れて持ち歩けるサイズが私にとって有り難いのです。同じ内容ですが文庫本でも買ってしまいました。

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海の都の物語、塩野七生著、新潮文庫

こちらで少しだけ読めます。(立ち読みをクリック)

単行本のときは上下2冊だったのですが、文庫本になって6分冊となりました。現在1~3巻が出ています。

塩野さんは、なぜタイトルが「水の都」ではなく「海の都」なのかについてこう書かれています。

 水という文字が与える印象は、静的で、動くといっても、いちように同じ方向に静かに流れていくという感じを持ってしまう。しかし、ヴェネツィア共和国の歴史は、それとはまったくちがって、複雑で多様で、おそろしいくらいの動きに満ちていたのだ。
 それに、水の都と言うならば、ヨーロッパはもとより、日本にだって松江もあり、大阪だって水の都と言えないことはない。ところが、私は、ただ単に水の上に町をつくった人々を書くのではなく、海に出ていくことによって生きた人々を書こうとしている。水の上に住んだというだけではない、海に住んだ人々を書こうとしているのだ。

微妙なバランスをとりながら一千年の歴史を築いたヴェネツィアの物語です。早速第1巻を読み終えました。4~6巻はもうすぐ出るようです。

本日の練習:Francesco da MilanoのRicercha(Ness #84)、Fantasia(Ness #40)、Ricercar(Ness #15)、Ricercata(Ness #67)、Ricercar(Siena ms., fol. 20r-20v)。

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儒教三千年 [本]

ここしばらくは塩野七生さんの著作を読むことが多かったのですが、20年ほど前は陳舜臣さんのものばかり読んでいました。

先日書店で陳舜臣さんの文庫本が新刊で並んでいるのを見付けました。

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儒教三千年、陳舜臣著、中公文庫

1992年に出版、1995年に文庫本化されたものの再版です。

儒教の歴史を時代を追って体系的に書かれた本ではありません。儒教とは何か、歴史的にどう扱われてきたのか、儒教は思想なのかそれとも宗教なのか、中国、韓国と日本の儒教の違いは、などを分かりやすく解説した読み物です。

親族の呼び分け(伯父と叔父など、おばやいとこも呼び分ける。)は、中国では厳密であることなどを初めて知りました。同姓結婚を原則として禁止していることや祖先の祭祀の序列と関係するからだそうです。日本は祭祀の部分を抜いて倫理、学問、教養として儒教を取り入れたようです。

興味深い本でした。

本日の練習:Francesco da MilanoのRicercha(Ness #84)、Fantasia(Ness #40)、Ricercar(Ness #15)、Ricercata(Ness #67)、Ricercar(Siena ms., fol. 20r-20v)。

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ロマン派の交響曲 [本]

以前読んで面白かった、金聖響さんと玉木正之さんの「ベートーヴェンの交響曲」、書店で続編を見かけました。

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ロマン派の交響曲、金聖響+玉木正之、講談社現代新書

今回は「ロマン派の交響曲」、帯のキャッチ・コピーはこうです。「ベートーヴェンをいかに超えるか-大作曲家たちは何を表現しようとしたのか?」

第一章 シューベルトの交響曲
第二章 ベルリオーズの交響曲
第三章 メンデルスゾーンの交響曲
第四章 シューマンの交響曲
第五章 ブラームスの交響曲
第六章 チャイコフスキーの交響曲

前書きで、聖響さんは誤解を招かないようにこう書かれています。

「印象派」という言葉も「ロマン派」という言葉も、妙な先入観が付加されてしまって、音楽そのものを隠してしまったり、間違った方向へ導いていることが多いのです。作曲家の残したピュアな音楽とはどんなものだったのか、それを表現することが指揮者としての私の仕事なら、読者であり聴衆である皆さんに、文字を通して間違った先入観を取り払ってもらうのが、この本での仕事だと思っています。-中略-「ロマン派」という言葉は、音楽の特徴を統一的に表すものではなく、みんな違うんだ、という意味に理解しておけばいいんじゃないでしょうか。

楽曲の解説、作曲時の状況、聖響さんの考えなど、音楽の読み物として、とても面白い。指揮者ならではの著書です。

ただ、後書きにはこう書かれています。

この本をきっかけに、今までは印象が薄かったかも知れないそれらの曲もCDなどで改めてお聴きになれば、きっと新たな魅力を見出していただけるにちがいありません。-中略-が、いちばんおすすめしたいのは、やはり何も先入観を持たず、何も情報を持たず、何も考えずに、音楽に身をゆだねていただくことです。

そうありたいと思います。でも、続編が出ればきっとまた読んでいることでしょう。

本日の練習:Francesco da MilanoのRicercha(Ness #84)、Ricercar(Ness #15)、Ricercata(Ness #67)、Ricercar(Siena ms., fol. 20r-20v)。

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愛の年代記 [本]

ここ最近、書店に行っても読みたい本が見付かりませんので、以前一度読んだものを読み返しています。

一昨日からの就寝前のお供はこれです。(今夜で読み終えます。)

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愛の年代記、塩野七生、新潮文庫

中世からルネサンスにかけてのイタリアを舞台とした、9人の女性の愛の物語です。巻末に資料や出典が記されていますが、実在の人物をモデルにしていても塩野流に脚色された短編小説(フィクション)です。

登場人物が活き活きと描かれているのは、塩野さんの豊富な知識と歴史的な考察によるものでしょう。

それにしてもロマンティックなお話しではありません。現実は残酷です。それが当たり前の世の中だったのでしょう。

本日の練習:Francesco da MilanoのFantasia del divino(Ness #22)、Fantasia(Ness #52)、Ricercata(Ness #67)。

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幾何への誘い [本]

平面幾何を勉強することがなくなって久しいのですが、懐かしさに手に取ってしまった本です。

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幾何への誘い、小平邦彦著、岩波現代文庫

平面幾何は中学生のときにはありましたが、高校では(一応教科書には載っていたものの受験には関係なかったので)習いませんでした。大学で一通り勉強したのが最後、それ以来遠ざかっていました。

講義ノートを元に簡潔にまとめられてはいますが、初歩的な部分から入って、ユークリッド幾何学の公理論的な取り扱いと「図形の科学」としての幾何学との違いや、複素数を使った幾何学へのアプローチまで述べられています。それぞれ章立てになっていますので、専門的な数学をパスしたい場合は、第1章の図形の科学としての平面幾何だけ読むのもよいかも知れません。中高で習う範囲の平面幾何(直線、三角形、平行四辺形、円に関する理論)が美しく構築されています。

とは言うものの、簡単に読み飛ばせない文庫本です。鞄の中に入れて持ち歩いて、少しずつ読み進めています。

本日の練習:Francesco da MilanoのFantasia(Ness #40)、Fantasia del divino(Ness #22)。

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歴史の中の女たち [本]

本は数冊まとめて買うことが多いのですが、昨日も文庫本を4冊。既に電車の中で2冊読んでしまいました。

歴史も絵画も好きなので、現在夢中になって読んでいるのがこれです。

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歴史のなかの女たち、高階秀爾著、岩波現代文庫

歴史上の女性を絵画(肖像画)と共に歴史的な背景を含めて紹介した本です。もともとは『文藝春秋』に連載されていたもので、一話完結の読みやすい文章です。

マリー・アントワネット
ジョゼフィーヌ
ジャンヌ・ダルク
王女クリスティーナ
クレオパトラ
エリザベス一世
ブルートゥスの妻
ディド
ルクレティア
サビーナ・ポッペア
ルクレツィア・ボルジア
イザベラ皇妃
ディアヌ・ド・ポワティア
オーストリアのエリザベート
アタランタ・バリオーニ
マルキア
ガブリエル・デストレ
マリー・ド・メディシス
マリア・ルイサ
マルガリータ王女
ド・ポンパドゥール夫人
ポルキア
レカミエ夫人
レディ・ハミルトン

知らなかった名前もちらほら。「歴史上の美女」というのとは趣向が異なりますが、皆さん美しい。そして何よりも波乱に満ちた生涯を送っています。

本日の練習:Francesco da MilanoのFantasia(Ness #40)、Fantasia del divino(Ness #22)。

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