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Hopkinson Smith [YouTube等]

Hopkinson Smith(1946-)は現代を代表するリュート奏者のひとりですが、スペインのギター奏者/作曲家/音楽教師であるEmilio Pujol(プジョール、1886-1980)に師事しています。PujolはFrancisco Tárrega(タレガ、1852-1909)の弟子です。

また、Pujolは、スペインでルネサンス期に使われたVihuela(ビウエラ)と呼ばれる、調弦はリュートと同じで形がギターのような6コースの楽器の研究でも知られます。

さて、Hopkinson SmithがNew York Guitar Festivalでビウエラを演奏した映像です。



Luis de Narváezの曲を2曲演奏していますが、1曲目は"Conde Claros"、2曲目は"Mille Regrets(千々の悲しみ)"です。素晴らしい演奏です。

こちらは、Festival de la Guitarra de Cordoba 2008でバロック・ギターを演奏した映像です。



曲は、Gaspar Sanzの"Tarantella"です。この曲の楽譜はわずか8小節のコードとリズムだけで、即興的に演奏されます。

参考にXavier Díaz-Latorreさんの演奏もどうぞ。



今日の練習:リュートでJoanne MatelartのFantasia prima、19世紀ギターでDown By The Sally Gardens。

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Eliot Fisk [YouTube等]

115年前の11月8日はX線が発見された日で、昨日のGoogleのロゴはこれに因んだものになっていましたね。GIFアニメです。

xraydiscovery2010-ps.gif

さて、Eliot Fiskというアメリカのギタリストがいます。1954年生まれですから今年56歳、日本を代表するギタリスト福田進一さんとほぼ同年代ですね。

彼はAndrés Segovia(1893-1987)の最後の直接の弟子ですが、ハープシコード奏者でスペインで活躍した作曲家Domenico Scarlatti(1685-1757)の研究家でも知られるRalph Kirkpatrick(1911-1984)にも師事しています。

彼のアルバムは聴いたことがあるのですが、技巧派というイメージがあります。動画を見付けたので紹介しますが、聴いていて気持ちがよい演奏です。

Paganini, Caprice #24



Isaac Albéniz, Sevilla



Enrique Granados, Danza Espanola No. 5



この3つはNew York Guitar Festivalの映像ですが、Boston GuitarfestでのAngel Romeroとのデュオによる同曲も壮絶です。



ソロに戻って、同じくBoston Guitarfestでの演奏で、Isaac Albeniz, Cordobaです。



New York Guitar Festivalのチャンネルには、古楽器奏者のHopkinson SmithやPaul O'Detteの映像がUPされていますが、そちらはまた別の機会に紹介したいと思います。

今日の練習:リュートでJoanne MatelartのFantasia prima、19世紀ギターでDown By The Sally Gardens。

(追記2010.11.10.)
クラシック・ギターでは、通常足台に乗せて高くした左足の膝に楽器のくびれたところをを乗せるのですが、腰に負担がかかったりしますのでEliot Fiskのようにギター・レストを使う奏者も増えてきています。

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Xavier Díaz-Latorre & Pedro Estevan デュオ・コンサート [YouTube等]

知り合いの方に教えて頂いたのですが、リュート、ギター奏者Xavier Díaz-Latorreとパーカッション奏者Pedro Estevanのデュオ・コンサートの動画が(Xavier Díaz-Latorreによって)UPされています。

今年3月にセビージャのCasa de la Provinciaで行われたコンサートです。この情報を教えて頂いた方は実際にコンサートで聴かれたそうですが、小さい会場で聴衆は50人ほどだったとのことです。

バロック・ギターとパーカッションの演奏で、Gaspar Sanz (1640-1710)、Santiago de Murzia (c.1682-c.1740)、 Francisco Guerau (1659-1722?)の曲が演奏されます。

Marionas por la B, Gaspar Sanz



Jácaras, Gaspar Sanz



Paradetas, Gaspar Sanz



Los Ymposibles, Santiago de Murcia



Zarambeques, Santiago de Murcia



Cumbées, Santiago de Murcia



Mari-zápalos, Francisco Guerau



Passacalle por el cuarto tono, Francisco Guerau



Los Ymposiblesの音楽の形式はロマネスカです。

こんな素晴らしい演奏が10€で聴けるなんて、羨ましいです。

今日の練習:リュートでJoanne MatelartのFantasia prima、19世紀ギターでDown By The Sally Gardens。

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How to make a lute [YouTube等]

リュートの制作過程を紹介した動画を見付けました。

「5分で紹介するリュートの作り方」と題されたこの動画は、イギリスのリュート製作家Martin Shepherdさんが、ご自身の演奏と製作過程の写真で作られたものです。

残念ながらすべての過程という訳にはいかないのですが、ボウルを作るための木型、リブの貼り付け、ロゼッタの彫刻、バス・バーの貼り付け、ペグ・ボックスの製作の様子を見ることができます。

意外とバスバーが複雑です。

モデルはWendelio Venereの7コース・ルネサンス・リュートで、演奏されている曲は、Francis Cuttingの"Pavan"です。



繊細で美しいロゼッタです。因みに、ロゼッタは裏に型紙を貼って、裏から彫っていくそうです。残った型紙は剥がさずに補強のために残しておきます。

演奏の腕も見事ですね。美しい音です。

同様の別の製作家の動画も見付けました。

Patrick Carusoさんによるリュートの製作過程の紹介です。リュートの演奏はアメリカのJerry Willardさんで、William Byrdの"The Carman's Whistle"とJohn Dowlandの"Mr Hasselwood's Galliard"です。



両方を見るとだいたいの製作過程が分かりますね。

今日の練習:リュートでJoanne MatelartのFantasia prima、19世紀ギターでDown By The Sally Gardens。

(追記2010.10.28.)
リュートの製作は19世紀初頭の楽器の衰退とともに20世紀初頭に復興されるまで途絶えていました。現代では残された楽器等の資料をもとに製作されています。
リュートについてはWikipediaをご覧下さい。最近改訂されたようで、記述が詳細になっています。

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フルートとギター(2) [YouTube等]

少し前にフルートとギターのデュオの記事を書きました。

フルートとギター
【続】フルートとギター

その際、もうひと組素敵なデュオの動画に出会っていてCDも取り寄せて聴いていたのですが、紹介する機会を逸していました。

スペインのEugenia Moliner(flute)とボスニアのDenis Azabagic(guitar)によるデュオCavatina Duoです。

奇を衒ったところがなく颯爽とした演奏に好感が持てます。

F.BorneのCarmen Fantasy





Wolfgang Amadeus MozartのSonata K 330 C major, 1st movement, Allegro moderato



Denis Azabagicさんのギターは、テクニックも素晴らしくて聴き惚れてしまいます。

Francisco Tarreagaの「ベニスの謝肉祭のテーマによる変奏曲」



既に5枚のアルバムを出しているようですが、彼らのHP(のRECORDINGSから)で試聴できるほか、YouTubeにもたくさんの動画をUPしています。

CDはいずれまた紹介したいと思います。

今日の練習:Marco dall'AquilaのRecercar(Munich 266, fo. 28v)とJoanne MatelartのFantasia prima。

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Salley Gardens [YouTube等]

西洋ではお月見という習慣はなさそうです。どちらかというと満月は人の心をかき乱し、狂わせるものであるという考えですね。確かサロメにも月が登場しますし、狼男が変身するのも満月の夜ですね。

そんなことはお構いなしに、今夜も月を見ながら美しい音楽を。

大好きな曲のひとつ"Salley Gardens"をハープの弾き語りでどうそ。

今夜の月は宵待月、明日が中秋の名月、明後日が満月ですが、明日~明後日は雨という予報です。(T_T)

待宵月2010_09_21-02.jpg

300mm相当、露出補正-1.0

待宵月2010_09_21-01.jpg

300mm相当、デジタルズーム×4、露出補正-4.0

Wales生まれのSiobhan Owenさんの演奏です。彼女は現在16歳、この演奏のときは15歳だったそうです。



今日は仕事上でちょっと不愉快な出来事がありましたが、美しい歌声を聴いているとどうでもよくなりました。(^^;)

今日の練習:Marco dall'AquilaのRecercarを2曲。

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フルートとギター [YouTube等]

フルートとギターは相性のよい組み合わせで、編曲ものだけでなくイベール(1890-1962)の間奏曲やピアソラ(1921-1992)の「タンゴの歴史」等オリジナル曲もたくさん書かれています。(イベールやピアソラの曲は著作権が切れていないので動画の紹介はやめておきます。)

私もギターを弾いていたときに「グリーンスリーブス変奏曲」とイベールの「間奏曲」を合わせて頂いたことがあります。

さて、YouTubeを検索していたときに素敵な演奏を見付けました。

スウェーデンのAnn Elkjärさん(フルート)とMartin Fogelさん(ギター)の演奏です。

ラヴェルの「ハバネラ形式の小品」



Carl Philipp Emanuel BachのSonata G major Wq.133 "Hamburger Sonate"



昨年の日本ツアーの録画のようで映像が鮮明です。

Martin Fogelさんの編曲で"YoZakura"、和声が現代的で日本人には違和感があるかも知れませんがお洒落な編曲です。



その他にも、こちらで動画を見ることができます。

最近のギター界の事情はよく知らないのですが、Martin Fogelさんは新進のギタリストのようですね。彼のHPはスェーデン語、英語とともに日本語でも読むことができます。

今日の練習:Marco dall'AquilaのRecercarを2曲。

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ラベルのボレロ [YouTube等]

昨夜のコンサートで演奏されたMoris Ravel(1875-1937)の"Borelo"は、もともとバレエ音楽として作曲されました。

最初から最後までスネア・ドラムによる一定のリズムの上で2種類のメロディが繰り返される曲ですが、どんどん楽器が変わったり、加わっていき徐々にクレッシェンドしていきます。単調な曲ですが、それを感じさせない編曲は見事ですね。

オーケストラにとっては結構大変な曲でしょうね。

さて、昨夜も指揮者の大植英治さんから解説がありましたが、途中で旋律が完全に並行音程で重ねられている箇所があります。ホルンの基音に対してチェレスタ、ピッコロが倍音を構成するという手法です。

このあたりも含めてWikipediaに詳しい解説があります。

昨日の記事にリンさんから頂いたコメントにありますシンバルの件ですが、仰るようにずっと我慢してきて最後に(だけ)華々しく登場します。小出シンバルはいい音でした。

指揮者のRoberto PálmerさんがSlovenian Philharmonicの演奏で動画をUPされています。

ホルン、チェレスタ、ピッコロの箇所は2/2の冒頭、シンバルの登場は2/2の最後7:58あたりからです。





事情があって暫くバロック・ギターはお休みです。次回のレッスンはリュートで受けることになりますので、持って行く曲を探して曲集を弾き散らしていましたが、結局今日は決まらず。(^^;)

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リュートの動画 [YouTube等]

YouTubeを検索していてスウェーデンのリュート奏者Tommy Johanssonさんの演奏に出会いました。

まず目を惹いたのが指板の美しいこの楽器です。

Anthony Holborneの"The night watch"と"Muy Linda"です。



10コース・リュートでNicholas Valletの"Prelude"です。



リュート以外の楽器の演奏もUPされています。

ビウエラでLuys de Milánの「2つのファンタジア」です。



4コース・シターンで"The Milke-Mayds Bobb"、"Come Deere Dandy"、"Light O´Love"(いずれも作曲者不詳)です。



バンドーラでAnthony Holborneの"A Ground for the Pandora"です。



リュートの演奏に戻りますが、Thomas Robinsonの"The Queen´s Goodnight"、二重奏です。これは演奏したことがありますが、合わせるのが大変な曲です。



長くなりました。最後にOtt/Senfl/Newsidlerの"Elslein liebstes Elslein mein"です。美しい曲です。



その他の演奏はこちらで視聴できます。

本日の練習:バロック・ギターでGaspar Sanzの"Canarios"

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Xavier Diaz-Latorre [YouTube等]

何度か紹介してきましたが、Xavier Diaz-Latorreさんのギターが好きです。

新しい動画がUPされていましたので紹介しておきます。

セビージャでのライブ映像ですが、バロック・ギターとパーカッションによる演奏です。代表的な3人のバロック・ギターの作曲家、Gaspar Sanz、Santiago de Mursia、Francisco Guerauを取り上げたコンサートだったようです。いろいろなパーカッションも出てきて興味深いです。

Xavier Díaz-Latorre y Pedro Estevan, Laberintos Ingeniosos, LIVE IN SEVILLE



リュートの演奏もUPされていました。

13コースのバロック・リュートによる演奏でJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番アダージョです。



テオルボの演奏で、ド・ビゼーのプレリュードとシャコンヌです。

右手の指の使い方が興味深いです。

Prélude, Robert de Visée, played on the 14 course theorbo



Chaconne by Robert de Visée, played on the 14 course theorbo



Xavier Diaz-Latorreさんの新しいアルバムを紹介しようと思って検索していましたら面白い動画がありましたので、先にそちらを紹介しました。

本日の練習:バロック・ギターでGaspar Sanzの"Canarios"

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